消失ユートピア

 前の日記に書いた「病気のせいだからね」と言われた日、どこか赦されたような心地がしていたのに、次の日にはもうその感覚は消えてなくなっていた。身体がひどく重たくて、チューニングが合っていないかのようにすべてが遠くにある感じがした。職場では必死に普段通り振舞っていたけれど、木曜に早退して帰ることを選んでしまうくらい重くて、遠くて、つらかった。あれほど望んでいた言葉が、それを受け取った時の感情がきれいさっぱり無くなっていて、ただの空箱みたいだった。土曜に職場の人との面談でその話をしたら「もっと調子が良くなったときか、もっと調子が悪い時だったらスッと受け止められたのかもしれないけれど、調子が少し上がってきていたときだったから、張りつめていたものまでバチンと切られてしまったのかもね」と言われて、そうかもしれないなぁとぼんやりしたままの頭で思った。"病気じゃないからちゃんとしなきゃいけない、頑張らなきゃいけない"、その思いはつらく苦しいものだったけれど、もしかしたらそれが今の自分にとっては頑張ろうとする原動力になっていたのかもしれない。結局、また何もかもわからなくなってしまった。自責で強まっていた希死念慮も理由なく漠然としたものになってしまって、それでも強く襲ってくる。どうすればいいのだろう。どうすれば良かったのだろう。どうしたいのだろう。そればかりがぐるぐると頭の中を巡るけれど、答えにはまだ辿り着けそうにない。いつになったら解放されるのだろう。もう、疲れてしまった。